時代に咲いた花 2017.05

イザベラ・バード(上)

明治初期の日本奥地を旅した女性冒険家
世界に飛び出し、辺境の地に足跡を残す

  19世紀後半のイギリス、古い因習に縛られず、世界を冒険した勇敢な女性たちがいました。彼女たちは〝レディ・トラベラー〟と呼ばれ、異国を巡り、数々の旅の記録を残しています。ヴィクトリア朝の時代、家庭に閉じ込められていた中・上流階級の女性たちにとって、彼女たちは憧れの的、勇気と聡明さを体現する夢のヒロインでした。
 海を渡ることも、陸を横断することも命がけだった時代に、危険を顧みず、ドラマチックに世界を駆け抜けた女性冒険家イザベラ・バードもそのひとりです。明治初期の日本にも訪れ、数々の辺境の地に足跡を残し、未知の体験を生き生きと伝えました。

 イザベラ・ルーシー・バードは1831年10月15日、イギリスのヨークシャー、バラブリッジの中流階級の家庭に生まれました。英国国教会の聖職者であった父エドワードには1男2女がいましたが、息子を早くに亡くしたため、長女のイザベラが長男役を担い、教会の仕事も手伝っていました。
 父は熱心な安息日厳守主義者で、節制を守り、物事を深く「考える」ようイザベラを教育しました。4歳になった娘を馬に乗せて戸外に連れ出し、目に見えるあらゆるものを説明し、畑にどんな作物が育っているか、通った門はどんな仕組みか、あの動物、あの人は……と質問しては、幼いイザベラに答えさせたといいます。母ドーラも博学で、知的好奇心が旺盛な少女は、両親の教育により幅広い知識を蓄え、鋭い観察眼と豊かな表現力を身につけていったのです。
 

※続きは2017年5月号本誌にて。
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