友好の橋 2020.04

モンゴル国
Mongolia

馬と人々のきずな物語る民族楽器「馬頭琴」
ユネスコの無形文化遺産に登録
   
 遊牧民としての歴史が長いモンゴル人にとって、馬は特別な生き物です。生活基盤を支えてくれる貴重な家畜であるだけでなく、特別な精神的なつながりがあります。
 その絆は、モンゴルの民族楽器モリンホールにも表れています。楽器の先端部分が馬の頭の形をしており、日本では「馬頭琴」の名で親しまれています。2000年以上の歴史があり、「草原のチェロ」とも呼ばれています。

★絵本「スーホの白い馬」に登場
 日本で馬頭琴といえば、絵本『スーホの白い馬』が有名です。しかし、驚くことにモンゴルの人々はこの話をあまり知りません。『「スーホの白い馬」の真実 モンゴル ・中国・日本それぞれの姿』(ミンガド・ボラグ著)によると、それはこの絵本が、モンゴル民話をベースに中国人が創作したお話が元になっているからだそうです。
 『スーホの白い馬』を書いた大塚勇三氏によると、モンゴル草原の壮大な風景や、そこに暮らす人々の生活、少年と馬との間に育まれた深い絆を表現したいとの思いで、この絵本を創作したとのことです。青年と馬の間に育まれた絆を描く物語に転じたことで、こうして長く多くの人々に愛される物語へと昇華したと作者は結んでいます。

★民話『フフーナムジル』
 馬頭琴の成り立ちを物語る民話では『フフーナムジル』が有名です。ある青年が西の果てのお姫様(天女)と恋に落ち、ジョノンハルという名の翼を持った駿馬にまたがって毎晩お姫様に会いに行くのです。しかし、ジョノンハルは、他の女性の嫉妬によって翼を切り落とされ、息絶えてしまいます。青年は、ジョノンハルを失った悲しみから、馬頭琴を作り、奏でることで馬を想ったというお話です(諸説あり)。このお話を元に、有名な楽曲『ジョノンハル(黒い駿馬)』が作られました。
 2009年、馬頭琴はユネスコの世界無形文化遺産に登録されました。モンゴルではモ
ンゴル国立馬頭琴交響楽団が有名ですが、演奏者としてはモンゴル系中国人のチ・ボラク氏もよく知られています。
 2008年北京オリンピックで開幕式曲『万馬のとどろき』を演奏しました。彼はモンゴル帝国の創設者チンギス・ハンの長男の末裔であり、モンゴル文化を継承する重要人物です。馬頭琴の演奏歴は70年を超え、その演奏には心を揺さぶられます。

※詳細は2020年04月号本誌にて。
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