友好の橋 2016.11

アフガニスタン・イスラム共和国 Islamic Republic of Afghanistan

国外に流出した文化財の保護を訴えて奔走、尽力した平山郁夫

旧ソ連軍の侵攻以来、内戦のさなか地下金庫に隠し、盗難・破壊を逃れた秘宝
2006年から世界各地で巡回展示している「黄金のアフガン」に日本も一役

 アフガニスタンについて多くの人が「紛争」「難民」「テロリスト」などのイメージを持っているのではないでしょうか。実際、アフガニスタンの情勢は安定とはほど遠いと言えます。1979年のソ連軍の侵攻以来、内戦が続いて国は疲弊し、平均寿命は48歳、世界の最貧国のひとつです。

★かつては「シルクロードの十字路」

 かつては「東西文化の交差点」「シルクロードの十字路」といわれ、東西交流の要に位置し、豊かな文化を築いてきた、その一端をうかがい知ることのできる特別展「黄金のアフガニスタン」が今年4月、東京国立博物館で開かれました。展示された秘宝は紀元前2100年から3世紀頃までのもの231点。内戦のさなか、アフガニスタン国立博物館の職員たちが命がけで大統領府の地下金庫に隠し、盗難、破壊を逃れたものばかりです。
 ソ連撤退後、博物館は軍事拠点の一つとして使われ、ロケット弾の砲撃を受けて炎上しました。89年以降、4万点に及ぶコレクションが盗み出されていたことがわかっています。その後のタリバン政権下では、イスラム教が偶像崇拝を禁じているとして、博物館の収蔵品約2500点が破壊されました。職員が事前に地下金庫に移していなければ、まちがいなく、略奪、破壊されていたでしょう。
 2006年パリを皮切りに世界各地で巡回展示してきた「黄金のアフガニスタン」は、日本が11カ国目。日本で保管されていた流出文化財も展示されたのですが、これらの文化財を保護、保管してきたのが、日本画家の故・平山郁夫氏です。「仏教伝来」などシルクロードをテーマにした作品も多い平山は生前、シルクロードを100回以上、30万キロを超す道程を歩いたとされます。

★流出文化財を保護する委員会を設立」

 平山は、戦争や紛争によって失われる文化財の喪失を嘆き、その保全のために尽力しました。特に2001年にタリバンが仏教遺跡「バーミヤン石仏」を破壊すると、流出文化財保護日本委員会を設立し、ブラックマーケットなど、さまざまなルートで日本に流入した文化財の自発的提供を呼びかけ、保護したのでした。
 「黄金のアフガニスタン」に出品されたものは、8月17日までに返還されました。12月にはアフガニスタン国立博物館で展示される予定です。この博物館の正面には、「自らの文化が生き続ける限り、その国は生きながらえる」と横断幕が掲げられています。

※詳細は2016年11月号本誌にて。
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