友好の橋 2016.06

フィンランド共和国 Republic of Finland

独立間もないとき、隣国との紛争解決に尽力した新渡戸稲造

日露戦争での日本の勝利に触発されてフィンランドは独立を勝ち取った
スウェーデンとの紛争解決に尽力した新渡戸稲造は最も有名な日本人

フィンランドといえば、森や湖、人気キャラクターのムーミンやサンタクロース、食器メーカーの「イッタラ」などを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。人口はわずか530万人ほどですが、国際競争力世界第8位、男女平等指数世界3位(2015年)、ママに優しい国第1位(2014年)にランクインしている魅力的な国です。

★スウェーデンとの紛争状態を解決

 長い間、ロシアの支配下にあったフィンランドは、日露戦争で日本が勝利を収めたことに触発され、1917年に独立を勝ち取りました。以来、親日国で、最も知名度の高い日本人は旧五千円札を飾った新渡戸稲造です。
 第一次世界大戦末期、ロシアから独立したフィンランドと隣国スウェーデンの間では両国の間に浮かぶ島々、オーランド諸島の帰属問題をめぐり、紛争状態が続いていました。歴史的に見ればフィンランドに理があるものの、住民の多くがスウェーデン系である上、経済的な依存度もスウェーデンに傾いていたことなどから、スウェーデンに理があるともいえる状態でした。
 最終的に両国の希望でこの解決は国際連盟に一任されることになったのです。そして、このとき国際連盟初代事務次長を務めていたのが新渡戸でした。
 スウェーデンが有利と思われていましたが、新渡戸が両国政府に提案した妥協案は「オーランド諸島はフィンランドが統治し、言葉や文化はスウェーデン式。フィンランドの軍隊はおかず非武装地帯とし、自治権はオーランドにある」というものだったのです。結果的にこれが受け入れられ、オーランド諸島はいまや平和のモデルの島となり、世界中の領土問題を抱える国々から視察団が来るまでになりました。

★武士道の究極の理想は平和である

 当時、独立間もないフィンランドは、自らの主張が国際的に認められたというニュースを聞き、国民が喜びに沸くとともに、新渡戸稲造の名前と日本という国が国民の心に末長く刻まれたのでした。
 かつて英文で書した「武士道」には、日本人の徳目を「義」「勇」「仁」「礼」「誠」「名誉」「忠義」と記しています。新渡戸はそれらの品性を自らの行動で示したことで、世界で尊敬される紳士として認められました。このことが、彼の残した様々な業績の背景にあるのでしょう。彼は「武士道の究極の理想は平和である」と語っています。

※詳細は2016年6月号本誌にて。
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