座標軸 2018.06

向野幾世 奈良大学元講師

戦ないらぬ世よ 肝に願て

6月23日は沖縄慰霊の日。日本最西端の沖縄県与那国島で暮らす小学1年生の安里有生君(6歳)が追悼式で朗読した詩は「へいわってすてきだね」という詩だった。5年前のことである。
 「へいわってなにかな。ぼくはかんがえたよ。おともだちとなかよし。かぞくがげんき。えがおであそぶ。ねこがわらう。おなかがいっぱい。やぎがのんびりあるいている。けんかしてもすぐなかなおり。へいわっていいね(略)」
 今年3月の末、天皇、皇后両陛下は在任中最後の沖縄訪問をなさった。その最後の訪問地が与那国島であった。天皇陛下は84歳、皇后陛下は83歳でいらっしゃる。
 若い日、私は学生寮で沖縄からの留学生と同室だった。稲嶺さんといった。その方からパスポートを見せてもらった。翌年、進学した所で、同期の与那城さんもパスポートを持っていた。2人に共通することは、とっても無口なことだった。
 私がパスポートを取得して初めて行った外国は沖縄である。1971年、沖縄は未だ占領下にあった。訪ねて行った与那城さんの家は首里城近くの松川という所だった。首里城の辺りは戦いの跡が残り、土がむき出しのままで、土くれ続きの道を歩いた。
 

※続きは2018年6月号本誌にて。
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